触法障害者の受入れに向けて
最終更新日:2015/11/18
2003年当時、刑務所の中に障がいを持つ多くの受刑者がいるという話が持ちあがり、実際に処遇を担当した方の手記が発表されるなど、刑務所が「福祉の最後の砦」となっている現状が少しずつ明らかにされてきました。
これまでは、司法関係者と福祉関係者の間では、受刑者等に関する情報共有や連携というものがなく、障がい者や高齢者といった福祉の支援を必要とする受刑者については、出所するにあたり福祉サイドへの情報提供もなく、更生保護施設に受け入れられたとしても、福祉関係者が関わっての生活訓練等は行われていませんでした。こうした連携不足により、福祉の支援が必要な受刑者が福祉サービスに結びつかず、「累犯障がい者」を生む原因になっていたのかもしれません。
そのため、累犯障がい者の支援にあたり、出所後、必要な福祉サービス利用までの橋渡しを行う、司法と福祉をつなぐ体制の整備として、地域生活定着支援センターが全都道府県に設置されるようになり、岡山県では、本会が業務を受託し、平成23年1月から支援を開始しました。
支援開始から4年が経過しましたが、支援する中で、本人の生活スタイルとして在宅生活を希望される方が多い一方、福祉施設での生活を希望する方もおられますが、触法者という面等から、福祉施設での受入れが難しい状況も見受けられました。そのため、何が課題なのかを把握するため、福祉施設を対象に「受入れに関する調査」を実施したところ、①職員の理解が得られない②再犯の恐れ③施設責任④支援プログラムがない等の課題が見えてきました。
本会では、これらの課題を解決するための検討会を開催し、触法障がい者の福祉施設等への受入れが拡大することを目的に本書を作成いたしました。
本書により、触法障がい者の存在を知っていただき、福祉関係者による支援の必要性について理解が深まり、本事業へのご協力をいただければ幸いです。
岡山県社会福祉協議会 福祉支援部 地域生活定着支援センター
岡山市北区南方2丁目13-1 きらめきプラザ3階
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