法定後見制度 2:保佐
最終更新日:2013/10/17
保佐って、どんな制度?
「保佐」は、判断能力が著しく不十分な方の保護・支援のための制度です。
このような方は、法律行為を行うことは不可能ではありませんが、金銭の貸し借りなどの重要な法律行為を単独でしていると大切な財産がなくなってしまう危険があります。
そこで、家庭裁判所に「保佐人」という人をつけてもらって、重要な法律行為について同意権を与えてもらいます。そうすれば、本人があらかじめ保佐人の同意を受けずに法律行為を行った場合、これを取り消すことができます。また、本人が希望すれば、特定の法律行為について保佐人に代理権を与えて適切な契約を結んでもらうこともできます。
*対象*
精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者(民法第11条)
保佐人をつけるには、どうしたらいいの?
「申立てのできる人」が、本人の同意を得て、家庭裁判所に「保佐人をつけてください」と申立てをします(本人の同意はあったほうが望ましいのですが法律上は不要です)。さらに「保佐人に○○について代理権を与えてください」という申立を行うこともできます(この申立には本人の同意が必要です)。
家庭裁判所の審判で「保佐人」が選任されますと、本人は「被保佐人」と呼ばれます。
*申立てのできる人*
本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、成年後見人、成年後見監督人、補助人、補助監督人、検察官、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人、市町村長
保佐人は何をしてくれるの?
同意権・取消権 | 保佐人には、重要な法律行為(民法13条1項所定の行為)について同意権が与えられます。同意権の追加付与を求めること(民法13条1項所定の行為以外の行為についても同意権を与えること)もできます。 本人が、あらかじめ保佐人の同意を得ないで、同意権の範囲内の行為をした場合、この法律行為を取り消すことができます(取消権)。 |
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代理権 | 保佐人には、申立の範囲内で家庭裁判所が定める「特定の行為」(民法13条1項所定の行為に限られませんが、全面的な代理権付与はできません)について代理権を与えることができます。但し、本人の同意が必要です。 |
身上配慮義務 | 保佐人には、保佐の事務を行うに当たっては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮する義務があります。 |
民法第13条1項所定の行為
(同意が必要な行為)
- 元本を領収すること、これを利用すること
- 借金すること、保証すること
- 不動産その他の重要な財産に関する権利を得ることや失うこと
- 原告として訴訟行為をすること
- 贈与をすること、和解すること、仲裁契約をすること
- 相続を承認すること、相続を放棄すること、遺産分割をすること
- 贈与を断ること、遺贈を断ること、負担付贈与を受けること、負担付遺贈を受けること
- 新築、改築、増築、大修繕をすること
- 土地について5年以上の賃貸借をすること、建物について3年以上の賃貸借をすること
岡山県社会福祉協議会 福祉支援部 生活支援班(生活支援事業)
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