Q.やりたがらない子がいるのですが・・・。

 体験学習は、そこに設定された体験を"全員がおなじように"そして"かならずやらねばならない"というものではありません。もちろん、体験をしなければ「体験学習の循環過程」も生まれないわけですから、学習支援者としては、なんとか体験をさせなければと考えてしまう気持ちもわかります。しかし、体験のしかたにも幅をもたせ、選択肢をつくってはどうでしょう。

 たとえば「アイマスク体験」を実施する際に、どうしてもいやがる子がいたとします。その理由や原因はなんなのか考えてみましょう。アイマスクをすることで目が見えなくなることの恐怖を感じているのかもしれません。あるいは、ペアで行動することが恥ずかしいとか、誘導することが不安だと感じているのかもしれません。

 そうした場合は強制をせずに、たとえば、"「アイマスク体験」をしている人たちの様子を見る"という体験をしてもいいのです。「アイマスクをしている人はなぜあんなに腰がひけているのだろう」「どうしてゆっくりと、しかも小さな歩幅になるのだろう」「あの人はとてもじょうずに誘導しているなあ」。このようなことを"様子を見る"という間接的な体験から感じるのではないでしょうか。

 体験をしない子は"体験したくないという体験"をしているのです。ですから、このような子については、「なぜ体験したくないのか」、「どんな気持ちなのか」ということを、学習支援者が指摘し、分析していくことで、学びが生まれるはずです。予定されている結論や知識について体験をともなって学ぶのではなく、体験それ自体から学ぶとはこのようなことをさします。