Q.自分が答えられない質問がでたら?

 学習の場において「先生」の役割を担うからといって、なにもかもを把握して、どんな質問にも答えなければいけないと思う必要はありません。
 
とくに福祉教育は、現在進行形のリアルな課題をテーマとしています。解決のための正解を知っている人など、だれもいないのです。あるのは、ただ事実とそれぞれの立場の人の思いや考えです。学習の場を進行する立場の人は、その事実や考え方に出会わせる、水先案内人としての役割がメインですから、かならずしも知識や情報の提供者である必要はないのです。

 わからないことについて、わからないからと恐れたり、わかったふりをすることよりも、知識や情報をもっている第三者を、協力者として学習の場にむかえ入れる方が、はるかに効果的な学習を実現することができます。答えられない質問が出たら,答えられる人に頼ればいいのです。その場にそういう人がいなければ、後日聞いて伝えてもいいし、学習者とともに調べたりヒアリングしたりすればいいのです。

 すべての質問に鉄壁の守りで答えることのできる先生よりも、自分たちとともに学ぼうとする先生の方が、福祉のような現実課題を学ぶ場合には、ずっと魅力的なのではないでしょうか。「自分も知らない。いっしょに調べようか!」といえる強さをもてるかどうかが、勝負のような気がします。