Q.てっとり早くできる?

 福祉教育に限らず、てっとり早く、簡単にという安易な考え方はのぞましくありません。しかしながら、多忙ななかで、準備が簡単で、実施しやすいものを、いくつか知っておくことも必要かもしれません。

 体験学習は、前にあげたような「施設訪問・交流」や「車いす体験」「アイマスク体験」「まちのバリア探し」といったものに限りません。プログラムは、「読む」「書く」「観る(視る、見る・・・)」「調べる」「つくる」・・・といった、基本的なアクティビティをふたつくらい、たとえばビデオ教材を観て、感想を書くということでも、授業のかたちはできあがるでしょう。

 しかし、注意しなければならないのは、授業を単発で終わらせたり、児童・生徒の感想を書かせただけにしないことです。感想は、あくまでも個人の学びを確認する"ふりかえり"です。感想までを第1時とするならば、感想を発表する次の時間を第2時とすればよいのです。感想をグループやクラス全体で発表すれば、それが学んだことの共有となり、"わかちあい(シェアリング)"という大切な学習ができます。"ふりかえり"で終わるか、"分かちあい"のステップをふむかで、学びの深まりに大きな違いができるはずです。

 また、児童・生徒が興味・関心をもつプログラムというものも工夫してみるとよいでしょう。興味・関心をもつ、あるいは授業に食いつく、児童生徒のこころをつかむということを考える場合は"テーマ"設定を工夫するか、"活動形態"を楽しく取り組めるものにするかといったあたりがポイントでしょう。

 たとえば、おなじビデオ教材でも、映画を教材にすることもできます。『映画のなかに福祉がみえる』(中央法規出版)では、貧困、障害者、差別と人権、子ども、家族、高齢者などのジャンルに分けて、さまざまな作品と、福祉の視点を紹介しています。また、新聞を教材にした学習で知られるNIE(エヌ・アイ・イー、Newspaper in Education)では、身近な話題や新しいニュースを授業に活用することで、児童・生徒らの学習意欲が高まり、積極的な学習態度が身につくという報告がされています。

 このように考えれば、学校のなかで、教室だけでというプログラムも無限に存在するはずです。日ごろから、身のまわりのできごとや情報に気を配り、プログラムづくりのヒントを集めてみましょう。