岡山県ボランティア・市民活動支援センター情報誌 YOU & I(ユー アンド アイ)Vol.31

 ボランティア団体や市民活動団体が簡単に法人格を取得でき、市民が自発的に行う社会貢献活動を促進することを目的に、特定非営利活動促進法(NPO法)が施行(平成10年12月)され、現在、全国では10、000以上、岡山県内においても、120以上のNPO法人が誕生し、活動を展開しているところです。(※1)
また、そのNPO法も、今年(平成15年)5月1日より、手続きの簡素化された部分や追加された部分、暴力団排除の規定強化、罰則規定の新設など11のポイント(※2)で見直しがあり、NPO法人の健全な発展のために必要な改正がありました。
 岡山県内においても、何か起業するにあたり、NPO法人格を1つの選択肢とされるケースが増えており、本センターへ、設立検討中の方から「どういう手続きをすれば、NPO法人が設立できるのか?」「法人化のメリットは?」等々のご相談も増えてきています。
 しかし、その内容の中には、
@ NPO法そのものの趣旨を念頭に入れていないケース
A 法人運営に対するプランニングがされていないケース
が多いと思われます。

※2「改正NPO法」11のポイント

@ 特定非営利活動の5分野追加
A その他の事業の明確化
B 設立・合併の認証に関する
申請書類の増加
C 定款記載事項の変更
D 暴力団排除の措置強化
E 役員の任期伸長
F 事業変更を伴う定款変更の
認証申請時の書類追加
G 予算準拠の規定の削除
H 課税の特例
I 虚偽報告、検査忌避等に対する
罰則規定の新設
J 施行期日等

 それは、@のケースでは、「収益事業」のことばかりを考えている場合があります。確かに、法人を運営していくとなると、継続していくためにも、その運営資金をいかにして生みだしていくかは重要な要素になりますが、そもそもNPO法人は、「特定非営利活動を主たる目的とする」これが、大前提にあります。この大前提が欠如することにより、市民からNPO法人を理解する上で、弊害となっているように思われます。
 Aのケースにおいては、法人格を取得し、事業をもっと拡大していきたいと思っていても、「特定非営利活動」だけでは、活動資金がともなわず、事業展開が難しいといったことが挙げられます。他のメリットがあるという場合を除いては、結局、法人格取得の意味が薄れてくるケースです。
 先に挙げたケースは、どちらも重要であり、合い反する部分があり、難しい点になります。
 これらをうまくバランスをとっていくようにしなければ、NPO法人は”利益追求型の企業と変わらない“あるいは、”今まで任意団体であった時と変わらない“という事態に陥ってしまいます。
 そこで、目安にしていただきたいのが、内閣府国民生活局から「NPO法の運用方針について」という指針が発表されました。
 そこには、『「市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進」するため、NPO法の立法趣旨・理念に則した運用を明らかにすることとし、@法定要件のうち、「主たる目的性」及び「非営利性」への適合性について、必要不可欠な最低限の運用上の判断基準を明確化し、より一層透明性の確保を図るとともに、A所轄庁がNPO法に基づいて行う監督段階においても、NPO法人の説明責任と市民による選択・監視機能の一層の発揮を図るための運用を行う。』とされています。
 この中で注目したいのが、「透明性を図る」という部分で、事業内容はもちろんのこと、特定非営利事業と収益事業の収支においての透明性が求められている点にあります。
 具体的にいうと、NPO法人は特定非営利活動を行うことを主たる目的とした法人であり、その事業の割合は、総支出額の過半(2分の1以上)である点、その他の事業の収益は、特定非営利活動に係る事業のために使用しなければならず、特定非営利活動に係る事業会計に全額繰り入れることが必要である点、NPO法人は、営利を目的としない法人であり、構成員の経済的利益を追求し、終局的に収益が構成員個人に分配することを目的としないように管理費の総支出額に占める割合が、2分の1以下に抑えられている点。
 以上の点が求められていると挙げられています。(※3参照)
 しかし、それらの点の内容について、実際の運営においては、図(※3)を見る限り、厳しい面がありますが、大半が共感できる部分であると考えます。
 NPO法人が誕生することは、私たちのまちに、フォーマル(行政)以外のインフォーマル(民間)な社会資源が増えていき、自己責任のもと、自らサービスを選択できることとなるわけです。
 したがって、選択肢が増えていき、より豊かな暮らしができると考えます。
 そのため、今一度、法人化を検討されている方は、特定非営利活動法人の意義を検討していただき、法人化への道を進んでいただきたいことと、既設の法人においては、利用者や市民の方にとって、NPO法人は非営利活動を主たる目的とした法人であることを明確にしていただき、市民が自ら選択できるような、わかりやすい情報公開をし、信頼を得ていただきたいと思います。


 「営利」とは、構成員(株主など)の経済的利益を追求し、団体の利益を構成員が分配することを意味します。営利組織である会社は、株主が出資して会社を運転し、あがった利益を株主に配当するしくみになっています。
 それに対して、「非営利」とは、団体が利益を上げてもその利益を構成員(会員など)に分配しないという「非分配」を意味します。つまり、「非営利」とは、利益を上げてはいけないという意味ではなく、「利益があがっても構成員(社員など)に分配しないで、団体の活動目的を達成するための費用に充てること」と説明することができます。
 団体がサービスを提供した場合に、対価を得て、売上を上げても、そこから経費(人件費を含む)を差し引いて残った利益を団体の構成員に分配しなければ、それは非営利団体であるといえます。
 利益を得ることを目的とする組織である企業に対し、NPOは社会的な使命を達成することを目的にした組織であるといえます。よって、NPOが収益事業を行ってはならないとか、人件費を支払ってはいけないといった見解は、非営利性について理解が不足しているために起こる誤解といえます。
(シーズ=市民活動を支える制度をつくる会 HPより抜粋)


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